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Windows10の新しいデータセキュリティモデル「Enterprise Data Protection(EDP)」について(1/2)

最近は企業でも自治体でも学校でも、タブレット活用が非常に進んできています。

しかし、タブレットであれば外出先へ頻繁に持ち出したりする訳で、企業内のPCよりもデータ漏えいリスクが大きく、さらにBYODともなれば、いかに企業データを守るかということが重要になってきます。

そこで、現在ではタブレット等のスマートデバイスを活用して業務を行う際に大きく2つの方式があるかと思います。

①デバイスに全くデータを残さない方式(セキュアブラウザ)

②データを暗号化しポリシー制御した上で、デバイスにデータを残す方式

 

①は最も安全ですが、常にネットワークに安定接続していないとデータへアクセスできないなど弱点もあります。

そこで、②を選択する場合なのですが、データ暗号化やポリシー制御の仕組みを実現するソリューションとして、EMM(Enterprise Mobility Management)を利用することになります。

これは、MDM(デバイス管理)/MAM(アプリ管理)/MCM(コンテンツ管理)といった機能がセットになったもので、代表的な製品としては以下があげられます。

・AirWatch(VMware

・MobileIron

・MaaS360(IBM)  など

 

このEMMには、企業データと個人データを分離し、安全に企業データ扱うためのデータ保護機能(ファイルの暗号化やアプリ間のデータ連携制御など)が備わっており、安全に企業データを扱うことができます。

 

しかし、ここ最近導入が広がっているWindowsタブレットでは、こういったデータ保護機能に対応していない部分が多く、iOSと比べるとそのデータ保護機能は貧弱でした。

 

7月29日にリリースとなるWindows10では、このデータ保護に関する機能が大幅に強化されており、「Enterprise Data Protection(EDP)」として実装されています。

それではEDPでいったい何ができるのか?Microsoftのサイトに機能概要が記載されています。

Enterprise Data Protection overview (Preliminary)

 

EDPで可能となる代表的な機能としては以下のような内容があるようです。

・デバイスの所有形態に依存しない、企業データの暗号化

・従業員の生産性を低下させずに、企業データと個人データをシームレスに切り替え

・企業データのリモートワイプ

・企業データとして指定したデータへのアクセスポリシー設定

・企業データにアクセス可能なアプリの限定化

・ロギング、監査

・MS製品(Microsoft IntuneやSystemCenterなど)や他製品(EMM/MDM製品)との連携

 

これらの機能によって、従来では難しかったWindows上での柔軟で厳密なデータ保護ポリシーの設定が可能になり、業務用タブレットとしてWindowsを選択するハードルが確実に下がるのではと思っています。

 

次回はこの「Enterprise Data Protection(EDP)」について、Microsoftのサイトに記載されている情報を少し詳細にまとめたいと思います

仮想デスクトップ環境のプチ便利ツール「VMware Horizon Toolbox」について

Horizon(with View)を活用した仮想デスクトップ環境を運用していると、

以下のような情報を取得したくなります。

・ユーザの接続情報(接続時間/切断時間)
⇒メンテナンス時や障害時に、影響を受ける組織がどのような利用パターンなのか判断したい
⇒特定のユーザから接続に関する問い合わせを受けた時に、Connection Serverへの接続状況を確認したい

・同時接続数の推移
⇒追加でライセンスを購入する際に、どれくらい同時接続率を見込めばよいか判断したい
⇒1セッションあたりの平均負荷(IOPSやCPU,メモリの使用量など)を確認したい

このあたりの情報はConnectionServer上にデータとしては存在するのですが、
Viewに詳しくない管理者が分かりやすく確認できるような状態ではありませんでした。
(自社の環境ではエンジニアがデータベースから値を引っ張ってきて、独自のAccessファイルにまとめて運用しています)


そこで!私も初めて知ったのですが、このような課題を解決できる
無料のツールVMware Horizon Toolbox」というものがあるようです。

 

blogs.vmware.com


Horizon Toolboxの機能は大きく分けると2つのようです。

①監査機能
②リモートアシスタンス機能

①の監査機能では、以下のような項目を閲覧できます。
 ・同時接続セッション数の推移(直近2日~7日)
 ・ユーザの利用状況(接続/切断時間、累計接続時間など)
 ・Linked-Clone環境におけるSnapshotの状況(ペアレントVMからのSnapshotツリー)
 ・クライアント状況(Horizon Clientのバージョンや、クライアントデバイスのバージョン)

機能の内容は以下のホワイトペーパーに解り易く記載されていました。

http://www.vmware.com/files/pdf/techpaper/vmware-horizon-view-toolbox-fling-instructions.pdf

画面のイメージはこちら(VMware EUC Blogより)

VMware_Horizon_Toolbox

 

ホワイトペーパー中にも記載されていましたが、「Device Access Policy」という機能も開発中のようです。
スクリーンショットから分かる情報だと、Viewの仮想デスクトップにアクセス可能なクライアントデバイスをホワイトリスト形式で設定できるようです。
企業によっては、支給デバイスからのみアクセスを許可させたり、
BYODを許可しているものの、事前申請制で運用しているケースもあると思いますので、そういった場合にニーズがあるかも知れません。


この「VMware Horizon Toolbox」は機能はシンプルですが、
これまで痒いところになかなか手が届かなかったViewの欠点を補うよいツールではないでしょうか?
(Viewを活用したサービスを提供するプロバイダとしても注目しています!)

Windows10への移行とVMwareエンドユーザコンピューティング製品について

記念すべき初投稿は何にしようかなーと思っていたところ、

業務とも関連性の深い内容がVMwareの英語ブログに書いてあったので、その内容を「ざっくりと」メモしておくことにします。

How VMware EUC Solutions Can Help With Windows 10 Desktop Migrations | VMware End-User Computing Blog - VMware Blogs

※内容は私個人の勝手な解釈であり、英語力もまるで無いので、内容の正確性は保証しませんので、ご注意を。。

 

7月29日にリリースされるWindows10への移行を考えるにあたって、VMwareEUC(エンドユーザコンピューティング)製品で、ざっくり以下の役割があると、Shawn Bassさんが言ってます。

 

★ざっくりめも★

①DaaSとVDIがWindows10の迅速な展開を実現できる
・Horizon AirによるDaaSもしくはHorizon6によるオンプレVDIによって、物理デバイスの展開が完了するまでに、従業員がWindows10の操作性を検証・確認できる環境を提供できる

②Windows10とVMware Horizonがベストなセキュリティと管理性を提供する
VMware NSXとVDI(HorizonによるVDIはWindow10をサポート)を組み合わせたマイクロセグメンテーションが、物理的なデスクトップ環境では実現できない価値を提供する

③Horizon RDSHがWindows10のアプリケーション互換性問題を解決できる
・Windows10と以前のWindowsバージョン間でのアプリケーション互換性に関する問題は少なからずある
・アプリケーションが動作しないWindows10の環境に対して、RDSHによるアプリ配信を行うことで、互換性の問題を解決できる

④Horizon Flexによるアプリ互換性への対応
・アプリ互換性問題へのもう1つの方法として、Horizon Flexによって完全に管理されたWindows7インスタンスをWindows10のマシン上へ展開することができる
・互換性問題のあるアプリは当面、展開したWindows7環境上で動作させることが可能

VMware Mirageによって新旧のWindowsを管理
・XPが残っていたり、7,8,8.1の混在環境の場合はWindows10への移行が更に複雑
・Mirageによってユーザデータや設定をそのままに、迅速にバージョン間の移行を実現可能
・Windows10にはruntime provoisioningの機能が含まれているが、企業によってはセキュリティ上の理由によりリッピング&イメージ置き換えによってWindows10を展開することがある。
・Mirageはベアメタルプロビジョニングによってこのようなユーザをサポートする

VMware Fusion,FusionPro,Player,Player Pro,Workstationによって、デスクトップ仮想化のソフトウェアが無くても、Windows10の迅速なテスト&評価が可能

 

(ホントにざっくりですみません。)

 

個人的に興味があるのは、①と⑤です。

①に関しては、移行するバージョンを見定めるためにもWindows10の環境をDaaSで手軽に試してみるというシーンはあるような気がします。(そのためにVDI環境を構築することはないでしょうね)

DaaS自体はAmazonWorkspaceの提供や、日本でも最近Horizon Airが提供開始となるなど、これから認知度もあがり、企業の選択肢に更に入ってくるのではと思っています。

その際に、Windows10への移行とDaaSへの移行を同時にサポートしてくれるサービスがあれば、関心のある企業は多いのではないでしょうか。

⑤に関しては、Windows10でのruntime provoisioningの機能をもう少し調べてみたいですね。セキュリティ上利用しない企業もあると、ブログ本文には書いてましたが、どういった理由なのか?Mirageという製品自体がOSアップグレード時に威力を発揮する製品ですから、runtime provoisioningの登場によって、その価値がどのように位置づけられるのか、気になるところです。